文具探しの一人旅 season-1

文具小説

文具探しの一人旅 season-1-2

第2話|静けさの筆、祇園の路地で京都駅に着いたのは、午後の早い時間だった。大阪から電車でほんの30分ほど。けれど街の空気は、がらりと変わった。背筋がすっと伸びるような、静けさと気配。季節は同じ春のはずなのに、ここには時間の流れ方そのものが違...
文具小説

文具探しの一人旅 season-1-1

第1話|春の風、ガラスペンと喫茶店春の大阪は、人も風も、どこかせわしない。けれど、そのざわざわの中に、ほんのりとしたやわらかさが混じっているのが、不思議な魅力なのかも。朝の新幹線で大阪に着いた私は、大阪駅の人波に流されるようにして、街を歩き...
文具小説

文具探しの一人旅 season-1-0

プロローグ|旅は、一本のペンから始まった ペンを一本、なくしてしまった。ほんの些細な、けれど私にとってはちょっとだけ特別だったペン。学生時代に使っていた、黒インクのボールペンで、買った場所も正確な名前も忘れてしまったのに、握った感触だけはず...