いつしかそのペンケースと再会したい
ペンケースがとても好きで学生時代は色々と買った記憶があります。最初はキャラクターものが多かったように思います。そのうち、ボールペン、シャープペンシル、マーカーに色鉛筆、ものさしに消しゴム、ハサミまで、すべてペンケースに入っていたので今から思うとなんと大きなペンケースだったんだろうとちょっと昔の自分のことを思い出して笑ってしまいます。
ところが大学生になったある日、私があまりにもよくペンケースを換えるので、祖母が長く使える本革のものをプレゼントしてくれました。
祖母も文房具がとても好きでした。私の文房具好きは、祖母から受け継がれたのだと思います。
二人で百貨店の文具売り場に行きました。その時、百貨店の文具売場に少し緊張しながら入ったのを今でも思い出します。百貨店の文房具売り場は、空気がとても澄んでいて、スポットライトを当てられている文房具がそれぞれの場所でキチンと整列しています。
その中で目に止まったのが、横が明るい赤色でキャメル色の縁取りがある小さな長方形のペンケースでした。それは、一目惚れでした。手に取ると革が柔らかくて、手に馴染みました。とても大人な気持ちになったことを今でも覚えています。
飽き性のわたしですが、学生時代の4年間をそのペンケースとともに過ごし、社会人になってからもしばらく持っていました。祖母からの大切なプレゼントでもあり、使いやすく、ちょうどいい大きさで、デザインも持ち心地もすべてがマッチしたのだと思います。
引っ越しの多かった私は、いつしかそのペンケースを見失ってしまいました。今ではとてもいい思い出になっています。いつかまた、あのときのような出会いがあればと文房具屋さんめぐりを楽しんでいます。